スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | | スポンサー広告

春の味覚に一番乗り?ホワイトアスパラとアニョーの協演

江別の畑がようやく春の装いになったこの時期、北海道の食卓を一気に賑わすのがアスパラガス

出始めは皆大喜びで飛びついて、血液が緑色になってしまうのではないかと言う位、ともかく茹でてはワンサカ食べる。そして盛りの頃になると少々料理のレパートリーを増やさないと持て余し気味になりつつ、それでも食べる。そして他の野菜達が直売所を占拠し始める頃には寂しく姿を消して行くのだが、そうなると夏の立茎アスパラガスは希少になる。

ともかくアスパラガスは北海道の春にはなくてはならない味覚だ。そしてグリーンよりも珍重されるのがホワイトアスパラガス。つちは”掘りたて”の新鮮な生ホワイトアスパラというものに、この北海道に来て人生で初めて出合った。

そのホワイトアスパラをフルコースにして、全国にファンを増殖しているのが、札幌・宮の森のフレンチレストラン『ラ・サンテ』である。

その『ラ・サンテ』から「ホワイトアスパラが入荷しました!」のハガキが届いた当日、堰を切ったように来店した。なんとホワイトアスパラのコースは前日からスタートしたばかりだとの話。

この日はホワイトアスパラと並んで店の春の代名詞である”アニョー=羊”を組み込んだお任せメニュー。羊、特に仔羊が春の恵みとされるのは、4月に迎えるキリスト教の復活祭(イースター)に食べる伝統による。
『ラ・サンテ』肉熟成庫1 『ラ・サンテ』肉熟成庫2
年初にリニューアルされたという店内、特に変化を感じなかったのだが・・・


ありました!肉専用熟成庫がフロアから見えるように新設されていた。「今まで不本意ながら他の食材と一緒に冷蔵庫に押し込めないといけないこともあった」という羊肉のための熟成庫。下から絶えず扇風機で風を循環させているそうだ。この状態で1か月は旨みの熟成を楽しめるとのこと。焼いてもドリップが殆ど出ないという。牛や豚肉も同時に熟成させてはいるが、飽く迄羊本位のリニューアルであった。
       『ラ・サンテ』2週間熟成石田めん羊牧場のマトン 『ラ・サンテ』羊のチョリソ

さて席に着いて最初に運ばれてきたのは前菜ではなく、まず本日の食材。この店ではこういう過程をまったく怠ることはない。先程のアニョーの塊から切り落としたもの。2週間熟成させた2歳の若いマトンを本日これから我々が頂くのだ。その奥には70日のミルクラム。どちらも足寄『石田めん羊牧場』の希少なサウスダウン種の肉である。メニュー表にも双方が並んで表記されている。ミルクラムとマトンの食べ比べ?ホワイトアスパラと同時に羊のフルコースになりそうだ。
       『ラ・サンテ』ホワイトアスパラのスープと羊のチョリソと羊の脂を練り込んだクグロフ 『ラ・サンテ』ホワイトアスパラと北寄貝とツブ貝と春野菜のサラダ
さあ前置きが長くなったが一皿目、「ホワイトアスパラのスープと羊のチョリソと羊の脂を練り込んだクグロフ」である。チョリソは勿論自家製。先程の熟成庫にぶる下がっていたものだ。香辛料は意外に抑えられ羊の脂の甘みでまろやかに感じられる。一方クグロフはエキゾチックな香りを放つ。この組み合わせ、もっと大きなサンドイッチサイズで食べてみたいものである。濃縮エキスのようなホワイトアスパラのスープも食欲を誘う。

続いてはサラダ。「ホワイトアスパラと北寄貝とツブ貝と春野菜のサラダ」。毎年貝類と合わせたサラダがコースに登場するが、今年は北海道の代表的山菜=ヤチブキの葉、そして花びらが彩りを添えている。

このホワイトアスパラは『赤井川コロポックル村』赤木陽介さん遮光栽培物。味、香りともに力強さを感じる土盛りに比べ、遮光栽培物は直接地下水を吸い上げたようなピュアな透明感があり、ミネラルの結晶のよう。大地と海との関係を感じ取ることができる。貝との相性はもちろんだが、雪を割って最初に芽吹く山菜とも素晴らしい協演を奏でる。いつもながら高橋毅シェフの表現の繊細さ、豊かな想像力に感服。
       『ラ・サンテ』ホワイトアスパラと生ウニのマッシュルームのクリームソース 『ラ・サンテ』笹で包んだホワイトアスパラの塩釜焼き
海と山の協演続く。「ホワイトアスパラと生ウニのマッシュルームのクリームソース」

メニューを見ただけでは全く想像がつかなかったのだが、たっぷりのソースはウニとマッシュルームが完全一体となって何か別のものになっている。卵黄ソースのような味わい。卵のソースといえば、宮の森イタリア料理『オットウーノ』「ホワイトアスパラのバッサーノ風」を思い起こすが、そのイメージを海のものと山のものを合わせて創造してしまうのだから驚きだ。ホワイトアスパラのコクを引き出している。

そしてこのシーンはもうお馴染みとなった高橋シェフの塩釜崩し(?)「笹で包んだホワイトアスパラの塩釜焼き」の1シーンだ。このパフォーマンスは毎年変わらない。
                『ラ・サンテ』笹で包んだホワイトアスパラの塩釜焼き2
もう1つ変わらないのはこの塩釜焼きになるホワイトアスパラ。安平町『アスケン』八木響子さん露地土盛り栽培ものだ。焼き芋のような甘い香を漂わせながら、姿はこの通り透き通るような艶肌。ホワイトアスパラって何だかとても女性的。女性が育てたからという訳ではないのだが・・・

ホワイトアスパラが4品続き、後半は羊のコースである。
       『ラ・サンテ』足寄・石田めん羊牧場の70日のミルクラムのロースト 『ラ・サンテ』足寄・石田めん羊牧場の70日のミルクラムの内臓料理
まずは春を象徴する「足寄・石田めん羊牧場の羊料理 70日のミルクラムのロースト」から。

4つの部位を食べ比べるスタイルも変わらず。ピンク色の肌に瑞々しく張りのある肉を口にする時、ピョンピョンはねている仔羊を思いお越し、神妙になるのも毎年同じだ。春の恵みに感謝。

続いて登場した「足寄・石田めん羊牧場の羊料理 70日のミルクラムの内蔵料理」とは、このアンドゥイエット。本来は豚や牛の腸に腸、胃、喉肉、バラ肉などを詰めたソーセージ状のもの。国産の羊の腸は流通されないため、高橋シェフは羊の網脂を使って内臓肉を包んでいる。

アンドゥイエットは初体験だったがクセはなく大変美味。最も本来の物はかなり臭いらしい。高橋シェフは甘く炒めた玉葱とケッパーを使ってしっかりした味わいに仕上げていた。パンが進む!フランスではアンドゥイエットのバゲットサンドが食されるというが、是非一度体験してみたい。
       『ラ・サンテ』足寄・石田めん羊牧場の2週間熟成の2歳のロースト 『ラ・サンテ』ガトーショコラとバナナとパッションフルーツのアイスクリーム
信じられないが、実はメインはまだ終わらない。続いて出てきたのが「足寄・石田めん羊牧場の羊料理 2週間熟成の2歳のロースト」。先程の熟成庫の肉である。こうして見るとミルクラムに比べてやはり逞しく猛々しい。味わいも骨太で深い。これが熟成の妙味だろうか。

ちょっと後方にボンヤリであるが、紫の芋が写っている。これは江別の伊藤聖子さん越冬シャドークィン。こちらも熟成芋。本日のメインの横でしっかり存在感を示していた。

いや~すごいね。全部食べたの? はい、全部食べました。勿論デザートも。

「ガトーショコラとバナナとパッションフルーツのアイスクリーム」

こちらちょっと見た目変わったガトーショコラ?実は今年からスタッフに加わった山形出身のターさんこと三浦唯照さんのレシピによるもの。ターさんは東京のホテルでパティシエを務められた後、地元山形でレストランを開くべく、この『ラ・サンテ』に修行にやってきたのだ。ちなみに同じくパティシエの奥様は現在『オットウーノ』で働いている!

フォークを入れて1度驚き、口に入れて2度驚く。ひび割れた砂漠の大地を思わせる表面からは想像もできない程中はしっとり。しかも口あたりはふんわりとエアリーな感じ。次回作も楽しみ♪

このホワイトアスパラと羊のコースを頂くのは4年目(前回前々回前々前回)。そんなのはこの店では珍しくも何ともないだろう。イースターに仔羊を食べる習慣と同じくらい、毎年当たり前のように通うファンがたくさんいるのだ(しかも飛行機で!)。そのリピーター達の期待を裏切らず、いや期待を上回るクオリティが保たれている。

継続する信念と、少しずつ上を目指す意欲がこんなにも強く心に訴えかける料理が他にあっただろうか。『ラ・サンテ』に行くと必ず料理を超えた何かを得て帰ってくる。

2012.05.15 | | Comments(0) | Trackback(0) | 出張報告!

コメント

コメントの投稿


秘密にする

«  | HOME |  »

プロフィール

つちばく

Author:つちばく
札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

お知らせ!!

    


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。