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戸塚真弓さんの「じゃがいもびいき」

昨年10月に発行された戸塚真弓さん「じゃがいもびいき」をやっと読んだ。20ほどの小エッセイ集であるが、最初の章からスーっとパリのソルボンヌ大学界隈にある戸塚さんの家へと誘われ、最後まで1度も目を離さず一編の映画を観るように読み通した。戸塚さんの本はいつも・・・なんと言うか、無理がない。気持ちにも体にも負担をかけない。そして読み終わった時バカンスを過ごした後みたいに心満たされる。これって、戸塚さんの暮らしのリズムそのものなのだろう。

前回の「パリからの紅茶の話 」に続き、今回のテーマはなんと「じゃがいも」である。

そういえば以前道東の清里町で戸塚さんにお会いした時、上質なネービージャケットの胸ポケットにじゃがいもの花を挿していらっしゃった。清里はじゃがいもの一大産地である。もちろんこの地に敬意を払ってのことと思うが、なんと粋で遊び心に富んでいるのだろう。つちは小躍りしてしまった。

講演会の後近くまで歩み寄ると、もうピンクのじゃがいもの花はしょんぼりとうつむき加減だったのだが、戸塚さんはすかさずその視線に気が付いて「じゃがいもの匂いしますか?」と香りを嗅がせてくださった。ちゃんとじゃがいもの、あの大地の香りがした。

この本には恐らく戸塚さんのファッションのヒントになったであろう、ルイ16世が上着のボタン穴に挿したパルマンティエのじゃがいもの花の逸話も紹介されている。

じゃがいもと言うと、”パン代りに食べるドイツ人”が先に結びついてしまうのだが、実際にフランス人も相当な「じゃがいもびいき」のようだ。「フランス人は四季を通じてじゃがいもを食べる。野菜の中で最も消費量が多い。年間の消費量は一人当たり五十五キログラムといわれ・・・」とのこと。そしてさすがはフランス人、本当に一冊の本になってしまうくらい、じゃがいもという食材を吟味し、その調理法をフランス料理の伝統の中に確立させている。

かの有名なジョエル・ロブションの「じゃがいものピューレ」も登場する。このピューレ、メニュー表に載っていない付け合せであるにもかかわらず、ロブションの店に行ったならこれを食べるべしと言う”看板メニュー”になってしまった!戸塚さんの表現によると、「極上のアイスクリームのようで、舌まで溶けてしまいそうに口の中でとろける。」そうだ。これを読んだだけで舌がうずうずしてくる。

それにしてもこの本には本当の「豊かな食の楽しみ方」が描かれている。それはミシュラン3つ星を食べ倒す(?)ことでもなく、はたまたトリュフ、フォアグラ、キャビアなど高級食材に事欠かない食卓でもなく、実はじゃがいもというありふれた庶民的な食材を慈しみ、とことん味わい尽くすということにある。

ちょっとびっくりした記述は、じゃがいもの品種による価格の違いについてである。フランスで最もポピュラーな「ビンチ」という品種は1㎏=100円前後、ロブションが”極上のアイスクリームのような”「じゃがいものピューレ」に使う「ラット」という品種は1㎏=500~2000円というから驚きである。しかしその「ラット」たるや、戸塚さんが表現するとこうである。

「香ばしいノワゼット(ヘーゼルナッツ)の風味を持ち、ほくっとしているが身が崩れず、きめが細かくて、かすかに海の匂いがし、じゃがいもそのものの味が素晴らしい。」

そして戸塚さん、ついには「ラット」の名産地、トゥケの町にまで赴くのである。これが本物の贅沢、食の豊かさではないだろうか?

2012.04.12 | | Comments(4) | Trackback(0) | 未分類

コメント

本を読んでみて、「ボノットを食べてみたいなぁ」
と思いました。

2012-04-15 日 19:01:42 | URL | 羽田の玉ちゃん #HHwP0Xsw [ 編集]

玉ちゃんさま

お久しぶりです!

やはり読みましたか~

フランス品種の品評も面白そうでうね。期待してま~す!

2012-04-16 月 16:23:05 | URL | つちばく #- [ 編集]

素敵な♪

御本の紹介、ありがとうございます!
著者のかたのライフスタイルにも心惹かれますね…♪

フランス含め、ヨーロッパでは、中世までは蕪(かぶ)が最もポピュラーな野菜のひとつとして親しまれていたそうですが、
じゃがいもの普及を機に、みるみる消費量を減らしていったのだとか。

蕪も美味しい野菜だと思うのですが、調理法のバリエーション等々、使い勝手のよさを考えると、
やはりじゃがいもの人気赤丸急上昇はむべなるかな、だったのでしょうね。

ほんと、フランスの品種の食べ比べってしてみたいなあ!♪

2012-04-20 金 08:40:02 | URL | さざぴ #d819E29w [ 編集]

さざぴさま

そうですね~♪

じゃがいもの功績は、なんと言ってもフランス国民を飢餓から救ったという、その栄養価の高さでしょうね。

つちの親族には「じゃがいもを主食に!」と訴え続けている人物がいます。

家族の了承が得られず実現してませんが・・・

2012-04-23 月 14:28:00 | URL | つちばく #- [ 編集]

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札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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