スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | | スポンサー広告

”お泊り”したくなる(?)『リッチ クチーナ イタリアーナ』

前回・・・とは早4年前のこと。あいの里にある1軒家レストラン『リッチ・イタリアーノ』に行った時のことである。グレイッシュホワイトな冬の午後、扉を開けると玄関に沢山の靴。その最後尾に自分も1足を並べて中に入り、緩やかな空気にエスコートされるように腰を下ろした。誰もが大事に、そして独り占めしたくなるような店だった。

その”リッチ”が昨年札幌の中心地へと移転し、『リッチ クチーナ イタリアーナ』として生まれ変わった。行きやすくなる喜びと、あの一軒家の雰囲気はもうないのだという淋しさもある。

でもそれは余計なセンチメンタルだった。大通中央に近いモダンなビルの中に、あいの里の空気はそのまま移入されていたのだ。
       『リッチクチーナイタリアーナ』店内 『リッチクチーナイタリアーナ』「殻付バフンウニ、オリーブオイルとレモンで」


玄関(?)を入ると、そこではもはや靴は脱がないのだが、壁面に家主のワインコレクションがびっしり詰まったL字の廊下を渡って(??)リビング(???)へと。豪華絢爛でもなく、またシンプルモダーンでもなく、都会的でシャープなデザインの中にシャンデリアが揺れているところなど、本当にどこぞの高層マンションの一部屋のよう。

さて前振りが長くなってお腹が空いてきた。コースもあるが、せっかくなので毎日1枚1枚手書きされるという(コピーではない!)アラカルトメニューから選ぼう。まずは冷たい前菜「殻付バフンウニ、オリーブオイルとレモンで」を。生牡蠣ではなく、生ウニをオリーブオイルとレモンでというのは初めてだったが、意外というかやはりというか舌にしっくり来た。生臭みも消され、醤油+わさびより食べやすいのでは。
       『リッチクチーナイタリアーナ』「真かすべとトリッパ、アキレスのテリーヌ、サルサベルデ 」 『リッチクチーナイタリアーナ』「鰯のシチリア風ソース」 
続いて温かい前菜、「真かすべとトリッパ、アキレスのテリーヌ、サルサベルデ 」。メニュー表からはどんな色・形をしているもんか想像がつかなかったが、こんな風にキツネ色に焼かれて出てきた。そう、”温かい”テリーヌなのである。これだけ繊維質、ゼラチンの集積体だと、冷たい状態では硬くて食べられないそうだ。表面をカリッと焼いて温めると、プリッ、クチャ、トロッなどの様々な食感の大合唱となる。こういう食感の妙というのは忘れがたいもの。この写真を見る度にあの合唱が響いて食べたくなる。

パスタを2品。最初は「鰯のシチリア風ソース」。鰯、フェンネル、松の実、”貧乏人のチーズ”と言われる炒めパン粉が、相性良くまとまってこそシチリアの風が吹く。早食いするのは損である。一纏りになった味を舌の上で紐解いて行くのが楽しい。
       『リッチクチーナイタリアーナ』「豆イカのスミ煮(イカスミ煮)ソース 」 『リッチクチーナイタリアーナ』「島黒豚(江別):肩ロース肉」
パスタもう一皿は「豆イカのスミ煮(イカスミ煮)ソース 」。これは水を一切使わず豆イカから出る水分とトマトソースのみでじっくり煮込んだそうである。お歯黒疑似体験のできる真っ黒イカスミ好きには物足りないのかもしれないが、この豆イカは嫌味を一切吐かず、まろやかなコクだけは惜しみなく与えてくれている。トマトの酸味も内助の功で飽きの来ないイカスミソースだ。

メインは「島黒豚の肩ロース肉ロースト」。島黒豚とは酪農学園大学で飼育されているという。乙女の頬っぺたのように美しいピンクの断面。かなりの量だったが脂がしつこくなくあっさりと食べられる。付け合せの野菜も多種類で各々素材の味が生かされている。
       『リッチクチーナイタリアーナ』「カタラーナ」 tr 『リッチクチーナイタリアーナ』オープンキッチン
デザートは「カタラーナ」を選んだ。懐かしい家庭のプリンを思い出す。冷たいけど温かい卵の味わい。

さて連れがワインを選んだ際にハプニングが起こった。シェルフの中から一番大きなグラスを持ってシェフ自ら注ぎに来てくれた。栓を抜き、最初に別のグラスに少量を注ぎシェフが鼻を近付け、さらに口に含んだ瞬間、その顔が曇った。連れに差出し、「ちょっと本来のものではない香りがしませんか?最後にエステル香が鼻に抜けるというか・・・」

連れは全く気にしない(気づかない?)様子だったが、シェフは躊躇なく別の新しい1本を開け、香りと味を再び確認すると納得してグラスに注いでくれた。それは決して安くないワインだった。これはレアケースとは言え、この店では高いワインを安心して頼んでいいのではないだろうか?

またしてもスローペースな我々は最後の客となった。しかし言い訳をすれば、居心地がいいのである。それはもう、「泊まってもいいですか?」などと暴言を吐いてしまったほど。

殆ど仕切壁の意味がないくらい大きく剥き出しになったオープンキッチンでは、”楽しげに”片付けが始まっていた。シェフコートに真っ赤なスニーカーの川律司シェフ・ディレクターを中心に他2人のシェフ。若手シェフの1人は地方郷土料理を体得するためこの5月に2度目のイタリア修行に出発するそうだ。「彼がいなくなると本当に困るんですよ」と肩に手を回す川シェフの語り口は愛情たっぷり。その眼差しは元高校の保健体育の先生という別の引き出しを窺わせる。

オープンキッチンを望む四角い枠から漂ってくるのは美味しそうな匂いだけではない。仕事をスポーツのように楽しみ鍛錬するスタッフの雰囲気も零れ落ちてくるのだ。この店に長居してしまう理由はそんなところにある。

因みに『リッチ クチーナ イタリアーナ』のコンセプトは「人に教えたくなる隠れ家」とのこと。然もありなん!


『リッチ クチーナ イタリアーナ』

札幌市中央区南1条西7丁目12-1 大通公園ウエストビル2F
TEL 011-280-4700

ランチ:11:30~14:30 ディナー:17:30~23:00(日・祝17:30~21:30 月曜定休)

2012.03.29 | | Comments(0) | Trackback(0) | 出張報告!

«  | HOME |  »

プロフィール

つちばく

Author:つちばく
札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

お知らせ!!

    


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。