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USJよりすごい!大阪の農テーマパーク『杉・五兵衛』

さてご報告遅くなったが、3月12日(月)~14日(水)まで大阪へ”出張”だった。就航したばかりの格安航空会社ピーチ・アビエーションのさらに格安航空券にて、『食彩人』農村体験プログラムをご利用頂いた大阪のお客様と再会する旅へと出かけたのだ。

大阪からは、東京、神奈川に続き多くのお客様をお迎えしているのだが、実際のインパクト(?)はナンバーワンかも知れない。今回再会を果たしたのは、『食彩人』をスタートして最初の体験者である山本ご夫妻、そして2つのプログラムをご利用頂いた丸川ご夫妻、北海道へは年に数回”渡ってくる”スーパー歴女の西さん、竹工芸高度専門士の上野さんは体験後に自作の竹茶托を送って下さった方。忘れがたき方々ばかりである。

ピーチは想定内の遅れで到着。わき目もふらずJR関空駅へと急ぐ。関空快速から途中大阪環状線内回りに乗り換え、さらに学研都市線に乗り換えて2時間半。大阪中心部を素通りして京都・奈良県境の長尾駅へ。そこには山本ご夫妻が自家用車で迎えに来てくれていた。

こんなところまでやってきたのは、他でもない近隣の四条畷市に住む山本さんにお会いするため、それともう1つ、長年行きたかった農園『杉・五兵衛』を訪れるためだった。
                農園『杉・五兵衛』本館


枚方市にある農園『杉・五兵衛』は、なんと40年も前から農家レストランを営んでいる。園主の”の島五兵衛”さん(”の”の字は難しくて表記されないので平仮名で失礼します。)が「農家レストランという言葉はうちが作った」と言うのも頷ける。

5haの敷地は起伏に富み、林も池もありと、農園というよりそのまま里山の風景。この中に野菜やら果樹やら花やらが多種多様に育ち、ロバやヤギなどの動物たちが人間と共に棲む。その真ん中に今はレストランとなっている立派な百姓の家屋が佇んでいる。HPによると化学薬品ゼロへ挑戦中とのこと。しかしこの風景は有機循環農法の枠を超え1つの生態系を形作っているようだ。
       農園『杉・五兵衛』玄関 農園『杉・五兵衛』おつまみ
戸を開けるとまず土間が大きい。そこに桶が並び薪が積まれているだけで1枚の絵になる。さらにもう一間続く土間には赤い火が揺れる薪ストーブが置かれ、そこがウェイティングルームだ。中に案内してもらうまでここで一旦ストーブの火にあたりながら、みかんや、自家製果実酒に浸かっていた梅やグミなどの実を摘まんで待つ。全ての空間が博物館のようだから、立ち止まりたくなるこちらの気持ちをちゃんと斟酌しているようだ。
       農園『杉・五兵衛』販売コーナー 農園『杉・五兵衛』加工品1
加工品の販売コーナーにもアイディアが溢れている。現役を引退した荷車に、切り株の陳列台、笊や竹筒の容器、加工品パッケージから壁装飾のイノシシの頭に至るまで隙のないトータルコーディネイト。
       農園『杉・五兵衛』農園のお弁当1 農園『杉・五兵衛』2
お食事はランチバイキングの「農園のお弁当(煮しめ付き)」個室コース料理がある。お弁当の方の部屋を覘くとこれまた魅惑的なのだが、今回は山本さんが事前に個室を予約してくれていた。
       農園『杉・五兵衛』個室 農園『杉・五兵衛』農園懐石2
個室も複数あり各々違った趣がある。我々が落ち着いたのは一番奥の静かな一部屋。無駄な装飾はないが、柱やテーブルの1つ1つに味わいがあって目を楽しませてくれる。BGMはないが、床の間の花が心を和ませてくれる。
       農園『杉・五兵衛』農園懐石3 農園『杉・五兵衛』農園懐石1 
お通しに出されたのは色鮮やかな乾燥野菜たち。せっかくなので飲み物に「ホット紫蘇ジュース」も頼んでみた。紫蘇ジュースをホットで・・・? これがなかなかいける。それにしても器やマドラーにまで活用されている竹には感動した。これぞ素晴らしい日本の文化!

この日頂いたコース料理は「農園懐石」というもの。最初に出来立ての豆腐が大きな茶碗にまるごと入って出された。にがりのしっかり効いた濃厚な豆腐に辛子、季節先取りのつくしのトッピング、これにお出汁をかけて頂く。
       農園『杉・五兵衛』農園懐石4 農園『杉・五兵衛』農園懐石6
豆乳鍋も選べたのだが、大きな椎茸が収穫されたばかりと言うことで、これをシンプルに焼きながら頂くことにした。肉厚の椎茸はまるで生き物のように口の中でプリプリと動いた。

やがて懐石の盆(?)が運ばれてくる。1つ1つは決して華やかな食材ではないが、丁寧に彩よく並べられると早春の農園の景色をそのまま運んできたようだ。今年は開花が遅れた貴重な梅も一枝。
       農園『杉・五兵衛』農園懐石7 農園『杉・五兵衛』農園懐石8
そしてここでまさかの遭遇。茶碗蒸しの中に、”キクイモ”が!!!

これがまた堪らなく美味しい。生のまま入れて蒸してあるそうだが実に味わい深い。キクイモって何ておいしいんだろう!

天ぷらやお刺身もボリュームたっぷりで果てしない程食べた後に、炊き込みご飯と菜の花椀がしっかり付いてくる。これは相当お腹を空かせていかないとダメだな。。。
       農園『杉・五兵衛』個室室内 農園『杉・五兵衛』デザート
デザートは先程どちらにしようか悩んだもう1つの部屋に移動して頂いた。苺、ナンカンのゼリー、干し柿、柿のシャーベット、ミルクアイスの盛り合わせ。殆ど自然の甘みなのであっさり・すっきりといただくことができた。
       農園『杉・五兵衛』園主・の島五兵衛さん 農園『杉・五兵衛』園内

食事の途中、園主の”の島五兵衛”さんが部屋を訪れてくれた。これも山本さんの計らいによるもの。

今でこそ”農家レストラン”は標準語化し、”農業の6次産業化”なんていう言葉も唱えられているが、40年も前、その概念すらない1970年代に行動を起こした目的は何だったのだろうか・・・五兵衛さんに聞いてみた。

「大阪でどんなに規模を拡大しても北海道には勝てない。でも北海道もアメリカには勝てない。アメリカもオーストラリアには勝てないですよね。」

規模を拡大して強い農家を育てる・・・考えてみるとその頃から日本の農業政策は変わっていない。しかし農業の現場にはぐんぐん矛盾やギャップが広がって行った。

「例えばそこに今年初物のつくしがありますね。そんなもの数本市場に持って言ったって値も付かないどころか、相手にされない。でも数が少ないからと言って、つくしの価値がなくなりますか?市場競争で値を落とすより、1本のつくしに見合った値段になるように付加価値を付けることを考えた結果がこれ(農家レストラン)だったんです。だからレストランをやりたかった訳ではない。私達は飽く迄一貫して百姓なんです。」

理路整然と語る五兵衛さん。そういえばここでは若い女性が多く働いている。その誰もが説明の中で”百姓”という言葉を誇らしげに使う。五兵衛さんの一貫した理念が皆にも共有されているのだろう。

「農業はただ腹を満たすだけのものではない、文化なんです。その最たるものが盆栽です。盆栽では腹は満たされませんね。ただ”育てる”と言うことそのものに喜びが生まれる。今、窓から梅の花が見えますね、今年は遅れてやっと咲きました。ここでこの景色を見て作物を味わうことに価値が生まれる。それはただの生産活動ではない、ここでしかできない農業なんです。」

五兵衛さんの語りは淀みがない。凄みはあるが力みはない。それはHPに掲げられた信念「経済の奴隷にならず大地に働く誇りを持った営み」を40年間貫いたことの証だろう。

農政やTPPの風も農園『杉・五兵衛』を荒らすことはない。ここは「農耕=アグリカルチャー」という人類根源のカルチャーが存続する王国なのだ。


農園 杉・五兵衛

大阪府枚方市杉責谷1丁目951番地
TEL(072)858-0070,0905 

火曜定休 11:00~21:00(18:30最終受付) ※農園のお弁当は営業11:00~15:00(14:30ラストオーダー)

2012.03.23 | | Comments(2) | Trackback(0) | 出張報告!

コメント

まさに!

タイトルに偽りなし、
本当にすごい農テーマパークですね。私も訪れてみたいです。
読みごたえのあるレポ、
噛みしめるようにして拝読させていただきました。

「ただ”育てる”と言うことそのものに喜びが生まれる。」
五兵衛さんの語られたこの言葉、噛めば噛むほど味が出て、私の心に染みこんでゆくようです。
これからも折に触れ、何度も噛みしめさせてもらおうと思います。

それにしても、まさかのキクイモとの遭遇、すごいですね…!
つちさんとキクイモとの、浅からぬ縁(えにし)を感じます。
かつて百合根の記事を拝読し、茶わん蒸しの具にしたら…などと思いをめぐらせたりしましたが、
キクイモの茶わん蒸しも、本当に美味しそうですね。いいなあー♪

2012-03-28 水 00:13:56 | URL | さざぴ #d819E29w [ 編集]

さざぴさま

そんなに噛み締めて頂いて・・・ありがとうございます。

いや、私も時間が足りなくて今回消化不良なんです。もう1度、いやもう数回行かないと!

何しろキクイモと遭ったのも何かの暗示。また楽しみが増えました!

2012-03-29 木 18:49:39 | URL | つちばく #- [ 編集]

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札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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