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薩摩、土佐、そして北海道・・・

今年のお正月はグルメじゃなくて読書を楽しんだ。

実はお客様から”課題図書”を与えられたのである。

坂本龍馬と北海道 (PHP新書)」、「世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書)」、「龍馬の夢を叶えた男 岩崎弥太郎」、「龍馬が惚れた女たち―加尾・佐那・お龍そして第四の女お慶とは?

いずれも鹿児島大学教授、原口泉氏の著書である。推薦者はかつて、同じく原口教授の「篤姫 わたくしこと一命にかけ」を薦めて下さった元祖歴女のNさん、御年80+?。

鹿児島大学教授の著書だから、坂本龍馬を描きつつ共に活躍した小松帯刀、大久保利通など薩摩出身者についての記述が中心になる。しかし今回は北海道との関係で、恥ずかしながら初めて知り得た史実がいくつもあった。

坂本龍馬と北海道 (PHP新書)」では、坂本龍馬がいかに蝦夷地開拓を夢描いていたか、その夢がどのように引き継がれていったかについて考察している。

その本の中で、坂本龍馬の子孫達が実際に北海道に移住し開拓を行っていたことが記されている。

詳細は一昨年函館に設立された「北海道坂本龍馬記念館」HPに記されているが、北海道で”龍馬の志を継いだ人々”の物語はとても奥深い。中でも真に継承者と言える龍馬の甥=坂本直寛は、高知県民100戸余で「北光社」を結成して北見に入植した。その後浦臼に移り、政治・経済・福祉など様々に活動して北海道開拓を支えた。最後にはキリスト教牧師としてピアソン宣教師にも協力し、道内各地で民衆の心を支えた。直寛の元には後に龍馬の家督を継いだ坂本直(直寛の実兄)の妻と長男=坂本直衛も高知から浦臼に移住した。現に浦臼には「坂本龍馬家の墓」が建立されているそうだ。知らなかったぁ~。

一方「世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書)」では全く馴染みのない人物にスポットが当てられていた。

前田正名。薩摩出身で、フランスに留学中同国の農業立国政策を学び、帰国後農商務省に入り、当時の日本の重工業偏重政策に真っ向から反論、在来の農村の生産・加工産業を近代化し”民力”を養うことが第一であると唱えた。しかし富国強兵を急ぐ中央政府からは相手にされず、下野して文字通りの「全国行脚」に出る。

そしてまず初めに全国の茶業者の団体結成を果たした。続いて全国農事会、日本蚕糸会、日本燐寸義会、大日本木蝋会、全国酒造業組合連合会、大日本畜産会、九州石炭同盟会・・・と正名の呼びかけにより業界団体が設立に至った。

茶、日本酒など日本の地場産業を組織、強化して海外に輸出し、地方農村が自立することを目指したが、手本となっていたのはフランス留学中に視察したシャンパンの産地だったようだ。

在来産業の振興の一方、西洋品種の栽培と産業化にも積極的で、フランス留学の折、様々な種苗を持ち帰り、場長の座についた三田育種場にて育種を試みている。また日本で最初に本格的ワイン醸造を学ぶため、山梨の2人の青年をフランス留学へ導いたのも正名だった。

それから100年以上の今日、国産ワインが着目され、日本酒や日本茶が海外で高い評価を得る礎を作ったのは前田正名とも言える。

さてその正名と北海道の関係だが、彼は全国に「前田一歩園」と言う農園を開き果樹の栽培を推進したが、唯一彼の死後現在までその名を残しているのが、阿寒国立公園特別地域を管理する「前田一歩園財団」なのである。

正名は釧路に前田製紙工場(十條製紙(株)の前身)を興こしており、紙パルプの原木確保、及び農場を開く目的で阿寒の森林を取得した。しかし阿寒の景観を前に「ここは切る山ではない、見る山だ」と一転、森林を守る意志を示したそうだ。

「一歩園」の名は「万事一歩が大切」という正名の座右の銘からとったと言う。その最初の一歩があって、今も阿寒の森は北海道の自然遺産として、正名の子孫と志を継ぐ人たちにより守られている。

六花亭の包装紙で有名な山岳画家であり、坂本直寛の孫の坂本直行。彼もまた十勝原野に魅せられてそれを芸術に残した。その遺産は見る者を十勝へ誘う。

遠く薩摩、土佐から発した猛烈な情熱が、中央を通り越して、この北海道でともに自然の中に息づいているのにロマンを感じずにはいられない。

これはもしかしたら、中央依存型、経済指標一本型で息詰まる現状からの、原口教授が示唆する「地方からの変革」、各地方毎の多元的な価値創造という課題とヒントを、同時に示しているのかもしれない。

2011.01.06 | | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

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札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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