スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | | スポンサー広告

「小樽古建築ツアー」その2 『もったいない博物館』、『坂牛邸』

「小樽古建築ツアー」はボリューム満点の『和光荘』で午前中を終わり一旦休憩。午後は住ノ江町にある旧りんご倉庫を利用した『もったいない博物館』からスタートした。

この博物館は㈱ファーマホールディング社長でもある秋野治郎氏が創始、運営している。
名前の通り、失われ捨てられていく古き良き生活品の数々を、美しく”再生”して展示している。
       小樽『もったいない博物館』外観 小樽『もったいない博物館』石倉内戸の展示棚
「なーんだ、古物の保存展示か!」と思うなかれ(実はそう思っていたのはつち自身だった!)、”再生”と表現したのはそこが要だからだ。館内に入ってまず驚くことは、ここはブティックかと見紛う程のおしゃれな展示。

写真右の木の棚は、実はこの石倉の内戸。その木枠の中に、かつて日用品として使われていた染付の皿や調理道具などが、美術品として収まっている。


       小樽『もったいない博物館』館長=秋野治郎さん 小樽『もったいない博物館』小樽商人の半纏
館長の秋野治郎氏自ら案内してくれた。秋野氏は自らについて多くを語らなかったが、この後で内々に見せてもらった自邸の趣味からして、ただならぬ博識とハイセンスをお持ちの方。しかしその眼力は高額美術品を買い漁るのではなく、身近な生活品や廃棄されるものの中に注がれる。何と自邸には、ホテルから廃棄されたステンドグラスが拾われ、”再生”されていた。
       小樽『もったいない博物館』刺し子 小樽『もったいない博物館』メガネケース
小樽商人の半纏や、何気ない刺し子の布も、見る眼を持てば何と粋なことか。これらにはちゃんと日本人が誇るべき”デザイン”が生きている。

圧巻は古布を利用した100のメガネケース。『もったいない博物館』は古いものをただ残すのではなく、物に込められた美の感性を留めているように思う。
                小樽『坂牛邸』外観
さてクライマックスは『坂牛邸』。小樽新聞社の重役であり、その後は弁護士として活躍した坂牛直太郎の邸宅。

午前中の『和光荘』と比べるとこじんまりとしているが、どっしりとした構えで、まるで軍艦のようにこちらへ動き出しそうな迫力がある。それでいてリゾート地の山荘のようなカジュアルな印象も受ける。

設計したのは田上義也。角教授によると、間違いなく北海道が誇る随一の建築家だそうだ。
       小樽『坂牛邸』階段ホール 小樽『坂牛邸』食堂
中へ入ると、定規で几帳面に描かれたように直線と直線が交わる空間が広がる。ここで暮らせば曲がった根性もまっすぐになりそうだ!

『和光荘』が様々な意匠の折衷だったのに対して、『坂牛邸』は机・椅子などの家具に至るまで田上義也が設計しており、まるで”田上ミュージアム”のよう。その中に現在、北海道に築いた建築作品の写真や図面などを展示する「田上義也記念室」が置かれている。

かつて家族の団欒の場所であった「食堂」に腰を下ろし、『和光荘』や『坂牛邸』をはじめ道内に残る古建築をどう守り、生かしていくのか等について意見を交わした。

実はつちの先祖も建築家であり、次第にその作品が取り壊され失われていく侘しさを実感している。その一方で、形あるもの、いずれは無に戻るのが自然なのかとも思う。

「NPO法人 旧小熊邸倶楽部」に続き、『坂牛邸』と小樽の歴史的建造物の保存再生を目的にした「NPO小樽ワークス」を立ち上げた東田秀美氏に、古建築を保存する意味について訊ねてみた。

「そういう哲学的なことは最近考えてないなー。ただ好きだから。何のためにということではなくて、純粋に残したいと思うから。だから残せるうちは残そうとしているんです。」

いつも大変な活動をされている方のモチベーションを訊ねると、その答えが極めてシンプルなのに驚く。

『和光荘』に込められた施主の夢や、建築家の美意識の結晶『坂牛邸』、使い古された生活雑貨に芸実的価値を見出す『もったいない博物館』、そして古建築を保存再生する活動、その全ての源は、美しきものへと向かう人間の自然な欲求なのである。

今回小樽の古建築を見学して、”残すべきか””残さなくていいいか”という問いに対しては、素直に”残すべき”と答えたい。

保存再生は、古建築という形あるものを残すようであって、実は美しいものを美しいと感じる”心”を残す活動なのかもしれない。


『もったいない博物館』

小樽市住ノ江1 丁目7-25
TEL:0134-27-4100
営業時間:10:00~16:00(日曜・冬季休館)
入館料:800円(お抹茶、和菓子付)


『坂牛邸 田上義也記念室』

小樽市入船5丁目8-15
TEL:090(3468)3741 (担)事務局 東田
開館日時:毎週金・土・日曜 10:00〜15:00
入館料:300円


※『和光荘』は一般公開していません。

2010.07.29 | | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

«  | HOME |  »

プロフィール

つちばく

Author:つちばく
札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

お知らせ!!

    


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。