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当別・東裏小学校と「旅する木」のベッド作り

3月14日(土) 以前ご紹介した当別の「旧東裏小学校」にて”ベッド作り”に参加してきた。

なぜ”ベッド作り”?・・・結局つち自身も最後までよくわからなかったのだが、ベッドを作る体験など一生に何度あるかわからない。であればこれを逃すまいと参加したわけだ。

ちなみに情報源は、当別といえばこの方、辻野建設工業㈱辻野浩社長のブログ「旧東裏小学校の跡地を使った農村活性化プロジェクト」というものに深く携わっている様子。今回の”ベッド”もその一環だという。

当日集まったのは東裏小学校に多かれ少なかれ思い入れのある地域の農家の皆さん。ボランティアで自主的な人員募集だったため、事務局も何人集まるかわからないと言っていたのだが、何と予想を超える大人数。
                 旧東裏小学校を利用した農村活性化プロジェクトチーム


問題のベッドはこちら。素材は道産ナラ材と一部カナダ産のウォールナット材。コストも考慮してデザインはシンプルだが、木材は非常にいいものを使用している。
       東裏小プロジェクト・ベッド作り1 東裏小プロジェクト・ベッド作り2 
そしてデザインと指導は、この旧東裏小学校の体育館を工房として使っている「旅する木」須田修司さんだ。

当日作るのはベッドだけだと思っていたら、町内の敬老会にプレゼントする”箸づくり””座卓づくり”もセットだった。箸づくりの作業は主に仕上げ。あらかじめ須田さんが成形したもの1本1本に、ヤスリを掛け角を取る。
       東裏小プロジェクト・ベッド作り3須田修司さん 東裏小プロジェクト・箸作り
「この作業は使う人のことを思って丁寧にやれば時間がかかるし、適当にやればすぐ終わります。」と須田さんが婉曲にアドバイスすると、一同に笑いが・・・
                東裏小プロジェクト・箸作り女性メンバー
自然とベッドづくりには男性が、箸づくりには女性が集まり、作業はスムーズにスタートした。
       東裏小プロジェクト・ベッド作り4 東裏小プロジェクト・箸゙作り2
ベッドづくりの方は須田さんが作った見本を基に構造を頭に入れ、こちらもあらかじめ切り出された木材にまず磨きをかける。木材の表裏(白っぽく見える木の外側で弱い部分や、見栄えの良くない木目が目立つ方を裏にするなど。)や、上下(柾目・まさめ=木目が線状になっている部分を上に、板目=木目が波状になっている部分を下になど。)の決め方を教えてもらい、表面にヤスリをかける。さらに全ての角の面を取る。ちなみに須田さんが家具の仕上がりをチェックするポイントはこの角取りだそうだ。わずかな長さの辺もきっちり45度に角が取れて滑らかだと、いい仕事をしている職人の証拠だとか。家具の良し悪しは見えないところで分かれるということだ。以来家でもあらゆる家具の角取りが気になるつちであった。
       東裏小プロジェクト・ベッド作り5 東裏小プロジェクト・ベッド作り6
須田さんからは他にも木に関する色んな興味深いことを教えていただいた。こちらの模様は「虎斑(とらふ)」という、ナラ材など特有のもの。北海道など寒い場所で育った質の良い木にしか表れないそうだ。箸の細い断面にもしっかりこの虎斑が確認できた。
       東裏小プロジェクト・ベッド作り・虎斑 東裏小プロジェクト・箸の虎斑
男性人はあらゆる工具が揃った”男の遊び場”とも言える工房で本領を発揮し、作業も熱を帯びてきた。「須田さんに冬の間弟子入りしたい」という人も出てきたりして・・・ しかし「僕はいいですけれど、ここは暖房も入れないので極寒の地ですよ。冬は毎日マイナスの気温です。」と須田さん。かなりの覚悟が必要だ。
       東裏小プロジェクト・ベッド作り8 東裏小プロジェクト・ベッド作り10
そして今日の作業の隠れテーマだったのが、仕上げのツヤ出しで塗る当別産「亜麻仁油」だ。当別ではグループを作って亜麻栽培に取り組んでいるが、それを加工する時に搾油の最終段階で出たものは廃油となっていたそうだ。それを活用しようということで、今回試みで家具のツヤ出しに使ってみることにした。
       東裏小プロジェクト・ベッド作り・亜麻仁油 東裏小プロジェクト・ベッド作り・亜麻仁油塗り
亜麻仁油自体は特別気になるような香りもなく、乾きも早くて、特にウォールナットとの相性が抜群だった。全くの天然素材で安心して使えるのも素晴らしい。これは発見だったと須田さんも喜びの表情を見せていた。廃油を輝きに変えたこの試みだけでも成果ある1日と言えるだろう。
       東裏小プロジェクト・亜麻仁油を塗った箸 東裏小プロジェクト・ベッド作り・亜麻仁油を塗ったベッド
さていよいよベッドの組み立てだ。空き教室に移動して設置。
       東裏小プロジェクト・ベッド組み立て1 東裏小プロジェクト・ベッド組み立て2
殺風景な空間に布団もなく置かれたベッドは、ちょっと収容所っぽく寒々しくも見えたが、現物が並ぶと色々な想像力が動き出す。今後どう活用していくか、皆好き勝手にプランを口にしていた。

そうここからが本題だ。一体ベッドを設置してどうするのか? しかも旧理科実験室にはいつのまにかキッチンセットと食器類が運び込まれていた。どうもここを宿泊施設として活用できないか、その下地として設備を揃え、地元で使いながら考えて行こうということらしい。未だ全容は誰にもわからないようだが、そのうち明らかになっていくだろう。
       東裏小プロジェクト・ベッド設置 東裏小プロジェクト・キッチンセット
さて残る”座卓づくり”だが、パーツを組み立て、こちらにも亜麻仁油を塗って仕上げた後、参加者の強い要望で須田さんの工房名「旅する木」の焼印を押すことになった。須田さんは「いいんですか?」と座卓の裏の端の方に控えめに、しかしくっきりと名を残した。
       東裏小プロジェクト・敬老会プレゼント 東裏小プロジェクト・敬老会プレゼント「旅する木」刻印
ところで・・・
「いや~亜麻仁油いいですねぇ。いつまででも磨いていたいですよ。」と座卓表面を布で何度も何度も拭き続ける須田さんに、「須田さんの家具作りの技の見せ所って何ですか?」と挑戦的な質問を投げかけてみた。

その答えはこうだ。

「いかに気にならない仕事をするか・・・ですかねぇ。やっぱり使っていて気になるようじゃだめだと思うんですよ。仕事したっていうことがわからないように、忘れられるような仕事をするのが僕の仕事です。」

ふたたび禅問答のように投げ返され、ヒントを求めるように目の前で艶を放つ座卓に目をやると、今まで見えなかったものに気が付く。これは5枚の板を張り合わせてあるのだ。しかし最初に目に映ったのは確かに1枚の板の模様だった。なるほど・・・と思った。須田さんは作業よりも張り合わせる板選びに殆どの労力と時間を費やすのだそうだ。

「そこまでで殆ど自分の仕事は終わりです。」 仕事をする前に仕事は終わりだと言う。
「忘れられるような仕事」か・・・言葉の意味を理解しても、果たしてそれをやるのは容易ではない。

広い体育館に並べられた木材と工具の合間をピョンピョン跳ね回る須田さんは、小柄で殆ど体重がないかのように見える。

「デクノボウトヨバレ・・・」 なぜか宮澤賢治の「雨ニモ負ケズ」の一節が頭に浮かぶのである。
東裏小学校と「旅する木」のただならぬ縁を感じているのはつちだけではないだろう。

2009.03.21 | | Comments(2) | Trackback(0) | 出張報告!

コメント

面白い!

このレポート大変面白く拝読させてもらいました!

ベッドを作る目的がよくわからないところもまた面白い。
「気にならない仕事、忘れられるような仕事」…
家具作りについての須田さんのお答えは本当に深いですね。

このレポートを読んで以来、さざぴも家中の家具の角取りをチェックしてまわっています。笑

2009-03-24 火 17:28:41 | URL | さざぴ #d819E29w [ 編集]

さざぴさま

そう、やっぱりもの作りって奥が深いんですよ!地味な仕事の繰り返しの中から見えてくるものってあるんだと思います。

角取り、挑戦しましたが結構綺麗に仕上げるのは難しいです!

2009-03-26 木 22:49:49 | URL | つち #- [ 編集]

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Author:つちばく
札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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