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シードルを求めて~増毛へ 『増毛フルーツワイナリー』

3月4日(水) 生まれて初めて浜益以北へ日本海沿いに走り、増毛へとやってきた。
目的は”お酒”・・・しかし増毛で有名な日本酒の「国稀」ではなく、りんごのお酒=シードルの醸造所、『増毛フルーツワイナリー』だ。

「増毛シードル」の噂は昨年から耳にしていた。江別で釧路で、そしてフランスでも食した”そば粉のガレット”が、身近で静かなブームになっていた頃だ。そう、ガレットの傍らにはシードルというのが由緒正しい情景なのだ。ニッカのシードルはともかく、北海道の地元食材を使ったガレットとコンビを組む、北海道産シードルなんてないだろうなー・・・と思っていたら、ここ増毛にあったのだ。
      増毛シードル 手作り看板 増毛シードル タンク


ところで”シードル”はどうやって作られているのだろうか? ワインとどう違うのだろうか?
『増毛フルーツワイナリー』に着くやいなや、まず醸造所を見せていただいた。

若きオーナーの堀井拓哉さんの出身地は札幌。シードルとの出会いはカナダ。そしておばあさまが残した増毛の元リンゴ園。運命的な物語を感じてしまうが、お話を伺っているうち、この1つ1つの導きも、堀井さんの夢を信じる力と、それを実現させるための地道な努力が引き寄せたものだと知る。

北海道ワインで修行(?)をし、5年程前にこの地に『増毛フルーツワイナリー』を立ち上げ、奥様と2人で製造から販売までを行っている。
       増毛シードル 堀井拓哉さん 増毛シードル ろ過器
「増毛シードル」の製造工程だが、まず原料のりんごは増毛町の複数の農家が生産したものを購入している。その時々によって異なる糖度や酸味、香りなどのバランスを取るため、品種もいくつかをブレンドして使うそうだ。

仕入れたりんごは堀井ご夫妻が1つ1つ芯や傷みなどを取り除き、搾汁器にかけ皮ごとすり潰す。滓を沈殿させて澄んだ上澄みだけを専用のタンク(写真)に移し、3~5℃の低温で2ヶ月間じっくり醗酵させる。一般に出回っているシードルの醗酵期間は2~3週間というから、かなり長期間と言える。この醗酵段階で糖が炭酸ガスとアルコールに分解されるのだが、このタンクは中に圧力をかけられるようになっていて、発生する炭酸ガスを果汁に溶け込ませることができるそう。シードルに必要な微炭酸を作る工程だ。

りんごの仕入と搾汁のタイミングは10月と春先の2回。このタンク1つで1回につき1000ℓの醸造がマックスなので、ジュースの状態で冷凍保存している。年間最低でも8000ℓの製造を目指しているそうだ。

醗酵が終るとろ過器(写真)にかける。ここでは旨味成分を残すよう粗めのろ過に留めているそうだ。そして1本づつ瓶詰めし、最後に加熱殺菌する。加熱殺菌は絶対条件ではないそうだが、アルコール度数が低いということもあって行っているようだ。

ここでのシードルの作り方は、同じ微発泡のシャンパンの工程と比較するとおもしろい。シャンパンとの違いは、炭酸ガスを溶け込ませるタイミングがシードルの場合タンク内で、シャンパンは瓶の中であること。

それから、シャンパンは糖をほぼ残さずアルコールに変え、後から糖分を添加するのが一般なのに対し、シードルは醗酵段階で糖分を残し、その分アルコール度数を低く抑えているのが違うところ。もちろん市販のシードルには補糖を行っているものもあるだろうが、「増毛シードル」は「自然のりんごのおいしさをそのまま味わってほしい」という堀井さんの言葉どおり、無添加の甘みで仕上げている。
       増毛シードル 堀井さん 増毛シードル 店内ショーケース 
ほんの僅かな時間だが、堀井さんのお話を伺っている間に体が冷え切ってしまい、販売所へと移動。この寒さの中、堀井ご夫妻は何時間も作業されているのだから、どれほどの情熱か・・・身にしみてわかる。

店内はりんごにまつわる可愛らしい小物でいっぱい。エミール・アンリのシードルボウルがコレクションされているところにセンスを感じる。

現在販売されている「増毛シードル」は3種類。5番の甘口、6番の中口、7番の辛口と、仕込まれたタンク毎に番号が付けられている。1回の仕込が3タンク分。各々のタンクはりんごの品種のブレンドも異なり、堀井さんが醗酵の状況を見ながらベストなバランスの時に瓶詰めするので、甘さも異なるのだ。

一気に3種類が味わえるとは、得をした気分だ。さっそく買い込んで家路を急いだ。
       増毛シードル 店内 「増毛シードル」
何に合わせてどの番号の栓を抜くか・・・あれこれ考えた挙句、まずは中口を開けてシードルのみで味わうことにした。

色を見た瞬間、今まで出会ったシードルとは別物だと思った。澄んだ美しい琥珀色。ほんの数種類だが、これまでのシードル(仏産)は、濁っていてもう少しきつい色をしていた。

そして口に含んだ瞬間、またまた別物と再確認。「りんごそのものの味」を目指しているというのがよくわかる。「初めての人でも飲みやすいと思います。」と奥様がおっしゃっていた。本場のものはかなりクセがあり、つちは今でもあの香りはりんごではなく”シナチク”だと信じているのだが、こちらは正真正銘りんごの香りと味がする。

また先述した製法にもよるが、もともとりんごは葡萄より糖度が低いため、醗酵分解でできるアルコールの度数も低い(ワインが12~14度、「増毛シードル」は4.5~6.5度)。これも初めての人でも馴染みやすい条件だ。

しかしつちが感じる何よりもの「増毛シードル」の特徴は、このクリーミーな泡立ちだろう。1口ごとに泡のベールに包まれ、りんごの甘みの余韻を残す。

シャンパンも低温で長期間の醗酵をしたものは、果実の香りときめ細やかな泡立ちが際立つと言う。あの寒い醸造所で、じっくり醗酵を待つりんごと堀井さんの執念の結晶のような泡だ。

今後は敷地内に植えたりんごの木に実が生ったら、それを使った単一品種のシードルや洋梨のお酒も仕込んでみたいと語ってくれた。

堀井さんの先駆的な取り組みを聞きつけ、道内各地でシードルを地域の特産にと作り始める動きもあるという。

「各地でシードルが作られるようになって、シードルを飲む人が増えてくれると嬉しい。」

どこまでもシードルラバーである堀井さん。着実に夢を形に変えて行くこんな姿を見ていると、北海道人の日常食にそば粉のガレットとシードルが定着する日も夢ではないと思うのだ。


増毛フルーツワイナリー

〒077-0216 北海道増毛郡増毛町暑寒沢184-2
TEL&FAX 0164-53-1668
MAIL info@mashike-winery.jp
10 :00 ~ 17 :00  休業日 不定休

2009.03.09 | | Comments(8) | Trackback(0) | 出張報告!

コメント

行かれましたか...

こんXXは。
増毛まで足をのばされたのですね。

σ(^^)オーガリさんに入荷したその日に試飲させて頂きました。
日本の優しい味わいのガレットには、同じ土地のシードルの方が合う気がします。
増毛産シードルは仏版シードルとは似て非なるものととらえた方がいいかも
しれませんね。どちらがいいとかではなくて...好みの問題レベルかも。
個人的には6番と7番の中間位の味わいが好きかも...です。
順番的には7,6,5の順の方がいいかと。個人的な感想ですが。
これからリリースされるであろうポワレにも期待です。

もし願いがかなうならば...クレーピエによるガレットとブルターニュのシードルを
食べに行きたいなぁ...

いつにもまして支離滅裂な文章で...失礼しました。(^^;

2009-03-09 月 23:17:04 | URL | まるどら探検隊 #- [ 編集]

すごい偶然!

つちさん、ご無沙汰しております!
ビックリです、昨日増毛シードルを頂いて飲んだところでした!
非常にシルキーで、繊細な味でした。
北海道でもシードル作ってるんだ~
くらいの認識でしたが、
堀井さんの熱い思いで作られたことを知り
もう一度味わいたくなりました♪

2009-03-11 水 12:06:52 | URL | まつもと由季 #- [ 編集]

まるどら様

行ってまいりました!行ってよかったです。
増毛が果物の産地ということも知りませんでしたから、勉強になりました。

堀井さんも自然な味わいを目指したら、誰でも親しめる味になったと言ってました。日本のシードルとフランスのシードルが違うのは当然ですよね。

私も早くガレットとシードル合わせてみたいです!

2009-03-12 木 16:35:08 | URL | つち #- [ 編集]

由季さま

ごぶさたで~す!
本当に偶然ですね。そうそう増毛シードルはパスタなんかにも合いそうですよね。何故か本場フランスのシードルは、そば粉のガレットというより、ラーメンに合うような気がしてなりません。”シナチク”に似た香りが・・・

2009-03-12 木 16:38:34 | URL | つち #- [ 編集]

早速取り寄せました~

お久しぶりです!
江別人in東京のとしです。
情報ありがとうございました。

あっさりすっきり味ですね~
私には#5はちょっと甘かったですが、香りもあり一番評判良かったです。

今度現地を訪問する予定です(ついでに綿羊にもw)。

2009-03-13 金 18:45:51 | URL | とし #- [ 編集]

としさま

これはこれは、本当にお久しぶりです。
お取り寄せなさったとのこと。堀井さんにちょっと貢献できてよかったです!

中澤ヴィンヤードにしろ、増毛フルーツワイナリーにしろ、北海道で若いご夫婦がこうして新たなことにチャレンジしているのを見ると、本当に頼もしいですよね。

現地を訪れたらまたコメントください!

2009-03-14 土 20:12:20 | URL | つち #- [ 編集]

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2009-10-21 水 23:30:31 | | # [ 編集]

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2009-10-21 水 23:43:53 | | # [ 編集]

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Author:つちばく
札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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