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サヴォアのビオワイナリー訪問

名残惜しいチーズの里ボフォールを発ち、次なる目的地=地方自然公園のあるヴェルコールへと向かった。途中50kmほど南西へ下ったところで、これまでも食事ごとに、またはチーズとペアで必ず登場してきたヴァン・ド・サヴォワのワイナリーに立ち寄った。

Chapareillan(シャパレイアン)という、なんでも高級住宅街だという地域に入ると、放牧草地の景色が葡萄畑に変わる。目的地近くでバスを降りると、その一角はワインの匂いでいっぱい。建物にも人にも染み付いているのではないだろうか?

案内されたのは「Domaine Giachino(ドメイヌ・ジャッキーノ)」・・・とその看板に「Agriculture Biologique」の文字! ビオ(自然農法)の畑だ。後で聞いたがヴァン・ド・サヴォワでビオのワイナリーは20軒ほどとのこと。これは楽しみ!

迎えてくれたのはフレデリック・ジャッキーノ(Frederic Giachino)さん(右)と友人で同じくワイナリー経営のフランク・マッソン(Franck Masson)さん(左)。マッソンさんはビオではないが、一部ジャッキーノさんと一緒にワインづくりを行っているそうだ。
       ドメーヌ・ジャッキーノ1 ドメーヌ・ジャッキーノ マッソン・フランクさんと


ちなみにここは同じローヌ=アルプ地方でもボフォールのあるサヴォワ県から外れ、イゼール県に入るのだが、唯一ヴァン・ド・サヴォワのAOCが取れる場所とのこと。お隣スイスに似た土壌を持ち、急斜面で夏は30~35℃、冬は-10℃と気温差が大きい。

この土地は800年程前に山が崩れて現れた”アルジロ・カリケール”という、石灰と砂の混じった土壌だそうだ。ジャッキーノさんの畑は日当たりの最もよい南西斜面にある。ちなみに彼は10年肥料を入れていないそうだ。

詳細な説明は聞けなかったが、葡萄の苗木を育てて全世界に輸出もしているそうだ。またここで作られたワインは、フランスのAOC制度の流れを汲み、農産物に知的所有権を働かせるための世界的な制度として、現在ワイン、スピリッツについてWTOが定めている「GI(地理的表示 Geographical Indication)」という表示が許されているそうだ。つまりそれだけワインがこの土地の個性を表現したものとして認められていることになる。

ジャッキーノさんはここで2,000haのAOCワイン用と、それ以外のワイン用150ha、マッソンさんと協同の9haの畑を所有しており、葡萄の栽培からワイン製造、販売まで全て一貫して行う。

葡萄品種はAOCが白のジャケール赤のモンドゥーズ。いずれもこの地固有の品種のようだ。そのほかにガメイ、ピノノワールも少量栽培している。

収量は赤が5,000ℓ/ha、白が6,000ℓ/haだそうだ。ちなみにAOC規定では白は6,500ℓ/haを越えてはいけないそうだ。
       ドメーヌ・ジャッキーノ畑3 ドメーヌ・ジャッキーノ畑1
かなり急な傾斜を上がっていくと、素晴らしい景色が待っていた!葡萄は毎日この景色を見てるんだなーと感慨深い。土表は栗沢の『中澤ヴィンヤード』で見たのと同じような状況。雑草は葡萄の木の根元だけは除去してあるようだが、あとは丈を抑えるくらいで生やしっぱなし。

収穫は全て手摘みだそうだ。ちょうど収穫の最終段階でお忙しい中お邪魔してしまったようだった!
剪定については、”白は実の剪定はしない、赤は房の剪定をする”とのことだった。赤の房の選定は主に日当たりをよくするためらしいが、実の剪定の意味までは聞くことができなかった。 『中澤ヴィンヤード』でも白については貴腐の付いた実も一緒に収穫していたのに対し、赤については渋みの原因ということで選別していた。同様の理由だったらおもしろい。
       ドメーヌ・ジャッキーノ 赤ワイン1 ドメーヌ・ジャッキーノ赤ワイン2
工房に戻りタンクを見せてもらった。赤ワイン用葡萄は粒のまま潰さずこのタンクに11日間入れておいてから、搾って戻すそうだ。酵母の添加はせず、皮についた酵母だけで発酵させる。
その後1週間おいてからオーク樽に移す。その際いわゆるフィルターを使わず、このお手製の葡萄の枝で皮など大きな固形物だけを除去する。それによって旨味成分を含んだ滓をできるだけ残すようだ。
     ドメーヌ・ジャッキーノ白ワイン2 ドメーヌ・ジャッキーノ白ワイン1
白は15℃に冷却してから潰してこの青いタンクに入れ、そのまま春までおいておくそうだ。春先にタンク内から”音”がしたら、それが発酵の合図だとか。
       ドメーヌ・ジャッキーノ 試飲1 ドメーヌ・ジャッキーノ試飲2
一通りの説明を終えると、待ってましたとばかりに試飲用のワインがこれまた手際よく用意された。
赤・白とも2007年醸造。せっかくなので下戸のつちも一舐めさせていただいたが、赤はさすがに樽香が強く、まだ落ち着いていないような感触。ジャッキーノさんの説明では10年後が飲み頃とのこと。白はかなり個性的な香り。少ない酒試飲経験の中で何かに例えるとすれば、シードルに近い感じ。微発泡でちょっと舌に刺激がある。こちらはもう今が旬とのことだった。白は500円、赤は1,000円以下とあって、参加者はほぼ例外なく皆購入。もちろんつちも・・・しかしこのあとこのワインは意外な運命に遭遇する。。。
       ドメーヌ・ジャッキーノ農業賞 ドメーヌ・ジャッキーノ マール
またしても農家直販のいい土産を手にし気分よく周辺をぶらぶらしていて見つけたのは、 「Concours Generalagricole de Paris(パリ農産物コンクール)」の看板。1999年には銀賞、2003年には金賞を受賞しているようだ。このコンクールの価値もよくはわからないが、かなり伝統があるようで毎年フランス全土から1万本以上の出展があり、受賞率は2割、金賞になると1割以下らしい。

ワイナリーを去ろうとすると、いきなり轟音とともに2階部分から何かが降ってきた。赤ワイン用葡萄の皮と枝だ。この廃棄物を階下で待ち受けている人たちがいた。これでマール(ワインの搾りかすを蒸留したブランデー)を作る方々。ボフォールのホエー回収車といい、こちらといい、本当に余すところなく農産物を使い果たすサイクルがきっちり機能している。この辺りの伝統と歴史の厚みにはかなわないな~と実感した。

さてさて、つちが購入したジャッキーノさんのワインがその後どうなったかと言う結末である。
実はパリを発たんとする直前、空港の搭乗手続き中に重量オーバーとなり、何とその場で手放すことになってしまった。でもご安心を!ちゃんと空港スタッフの方に進呈し、大変喜ばれた。つちにとっては幻になってしまった1本だが、再び日本でジャッキーノさんのワインに出会ったら感激はひとしおだ。
この物語の結末はまだ先に残しておこう。

2008.11.15 | | Comments(2) | Trackback(0) | 出張報告!

コメント

素敵です^^

つちさんのワイナリー訪問の記事、
とてもわかりやすくて、
読みやすく参考になりました!
なかなか海外のワイナリーを見ることが出来ないので、
こうして書いてくださると、
本当にありがたいです^^

2,000haのワイン畑だなんて、
さすがフランス、規模が違いますね^^;
きっと素晴らしい景色なんでしょうねー!
羨ましいです。

ビオのワイナリーとのことで、
中澤さんとの比較がおもしろかったです。

2008-11-15 土 23:23:40 | URL | よし #- [ 編集]

よしさま

確かに規模が違いますよね。
フランスのワイン文化の裾野の広さには圧倒されます。

私も中澤さんの畑を見ていたお蔭で、興味深く見学できました!

2008-11-16 日 13:28:36 | URL | つち #- [ 編集]

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札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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