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北海道らしい食づくり名人~楡金シェフの釧路フレンチ・その2

さて、前回「散布産昆布と釧路町カブのポタージュ」・・・というより「塩」の話で終ってしまったが、料理実演はもう1品あった。

「釧路沖時鮭の白菜包みとあさりのエチュベ(蒸し煮)」

時鮭にあさりなんて、高級で手ごわそうな料理と思いきや、ふたたび「こっちはもっと簡単です。」と楡金シェフ

時鮭に塩・コショウをし、しばらく置いて、同じく塩をした白菜(短時間で蒸すので)2枚で挟み、テフロン加工のフライパンにあさりと一緒に入れ、水とオリーブオイルを加えたら蓋をして蒸す。あさりが開き、鮭にあらかた火が通ったら、あとは蓋をした状態で余熱で中まで蒸す。鮭とあさりを取り出した後に残った煮汁にレモンジュースとオリーブオイルを加え調味して上からかける。

一番重要なのは、鮭に火を入れすぎないということ。楡金シェフは火を止めた直後に、フライパンから鮭の切り身を取り出し、皆の目の前でパカッと真っ二つに割ってくれた。この段階で中心部は明らかに”生”。これが正解らしい。
      北海道らしい食づくり名人:楡金久幸シェフ『時鮭の白菜包みとあさりのエチュベ』 北海道らしい食づくり名人:楡金久幸シェフ2


大分調子が乗ってきたシェフと受講生、双方ともリラックスムードで対話が弾んできた。様々な質問が飛び出す度、楡金シェフは全身全霊込めて返答しパフォーマンスしてくれた。

”フランス料理の決め手=ソースの作り方のコツ”についての質問に、今回のあさりと時鮭、白菜の煮汁を使って数種類のバリエーションを紹介してくれた。しかも最も手近なもので・・・

例えば、今回のレシピで煮汁に加えたのは”レモンジュース+オリーブオイル”だが、コッテリが好きならオリーブオイル⇒”バター+生クリーム”でもOK。レモンジュース⇒”トマトジュース”または”バルサミコ酢”でもOK。

さらに・・・

「あ、ここに”めんつゆ”があります。これ入れてもいいです。」とシェフ。

さらにさらに・・・

「もともとこの料理は”鮭のちゃんちゃん焼”がヒントだったので、”味噌”入れてもいいですね。」

あ、あれ、アレ?質問は”フランス料理のソース”じゃなかったのぉ?

「入れるものは何でもいいです。あるものを使ってください。レシピに酒と書いてあっても酒がなければ水でもいいんです。大事なのは魚や肉を焼いたり蒸したりした後の汁、これを捨てずに活かすことです。」

楡金シェフの料理はともかく”捨てずに活用”が基本のようだ。今回もその一例として、宴会用料理の後に出た大量のエビの頭やトマトの皮を、乾燥させてミキサーで粉にし、調味料兼彩りに使うという話を披露してくれた。

そういえば一昨年、はじめてお会いした時には、同じく宴会料理で出たメロンのタネの部分を漉して、ガスパチョに入れるという策(?)を教えてくれた。

なぜそこまで徹底するか・・・「それが自然だから。」とシェフは説明する。

もちろん一から基本に忠実に小麦粉とバターで作るベシャメルソースもおいしいけれど、せっかく魚から出た旨味がフライパンに残っているなら、それをそのままベースにして、身近にあるもので味を調える方が自然だからだそうだ。なるほど、家庭料理なら、なおさら”自然”じゃないと長続きしないよな~。
      北海道らしい食づくり名人:楡金久幸シェフ料理盛り付け1 北海道らしい食づくり名人:楡金久幸シェフ料理盛り付け2

”盛り付けのコツ”についての質問にも、同じ料理を使って幾通りもの実例を見せてくれた楡金シェフ。高さを付けて、最後にディルやセルフィーユなどのハーブをトッピングする際の”気合の入れ方”(=息を止める、構えは剣道の姿勢で!)まで実演してくれた。会場に笑いが起きていたが、お陰でこのコツだけは皆忘れないだろう。

最後に余った時間を使って、様々な分野の質問に答えてくれたシェフ。つちもこの機会に”楡金シェフにとってのフランス料理の魅力”について聞いてみた。

「フランス料理は”地に根ざした料理”だと思う。」

楡金シェフの答えは簡潔だった。たとえば、知り合いのフランス人シェフの内、北フランスのシェフはバターを使った料理ばかり作る。一方南フランスのシェフはオリーブオイルが基本で、ほとんどバターを使う料理は作らない。なぜならその地にそれが豊富にあるから。対して・・・

「日本は何でも突き詰めるような気がする。」

和牛の霜降りのように、最高級の素材を突き詰めて、ある時は不自然な飼育方法まで選ぶこともあったり、逆にインスタントラーメンのように、”簡単においしいもの”を化学的に追求したりする。

楡金シェフが触れてきたフランス料理はもっと”自然なもの”のようだ。

一言でフランス料理と言っても、先ほどの例のように各地方料理の集合体で、全てがその地方の家庭料理の延長線上にある。そして周りにある普通の食材を使って、普通においしいものを作るという習慣があり、そのための道具も各地方で生まれている。全てが「理にかなっている」のだそうだ。

楡金シェフは自分が釧路に根付いて一生ここでフランス料理をやっていく決意をした時のことを話してくれた。それは真狩村のマッカリーナの前菜を食べた時のこと。

「羊蹄山の麓にあるもの全てが表現されていて、なぜこの場所で食べるのか、その意味をわかった料理だった。」

以来、シェフは故郷の釧路で「自然の摂理を皿に載せる」ということを日々続けているという。

「地元の農家の話から料理をひらめくこともあります。鹿の被害で白菜やゴボウがやられたなんて話を聞くと、鹿は白菜やゴボウが好きなんだなと気付かされて、さっそく皿の上には鹿肉のつけ合わせに白菜とゴボウを添えます。そういう物語のある料理を作りたいです。」

そう語る楡金シェフの艶々した笑顔を見ながら、初めてお会いした時に「この釧路を離れるつもりはない。」ときっぱりおっしゃっていたのを思い出した。

今回の2品が運んできた”釧路港の潮の香り”と、楡金シェフが”日本のブルターニュかノルマンディーかというくらい、魚介や乳製品など最高の食材が溢れる地”というイントロダクションに、もう心は釧路へ飛んでいる。

釧路くんだりまで”わざわざ食べに行く”価値のあるだと思う。そこで自分も”釧路の自然の一部”になってみたい。


楡金シェフの釧路フレンチを食べるには・・・

釧路全日空ホテル18F 「トップラウンジ・ビギンズ」(TEL:0154-31-4111)へ

”料理長おすすめのフレンチフルコース \9,000”

と言って2日前までに予約してください。



☆つちが一昨年に頂いた楡金シェフのフルコースはこちら

2008.06.26 | | Comments(0) | Trackback(0) | 出張報告!

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Author:つちばく
札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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