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道産ワインを巡る旅~栗沢『中澤ヴィンヤード』

「道産ワインを巡る旅」も最終回!
今回はつち自身訪問していないので、100%相棒の文章で(しかも写真なし、長文)でご紹介!

折りしも、6月1日に発売になった「dancyu」にも選りすぐり4本の道産ワインが紹介されている。その中の一つ、栗沢町でワイン用葡萄を栽培している『中澤ヴィンヤード』を訪れた。

“ヴィンヤード”とは“ぶどう畑”という意味。今から6年前の2002年に栗沢町で新規就農した中澤一行さん、由紀子さんご夫婦が、お二人だけで2.7haの葡萄畑を管理している。

中澤さんとは、以前イタリアの自然派ワインのイベントで一度お会いしたことがあり、その時イタリア人のワイナリーオーナーに、畑について(特に農薬を使わずに行う葡萄栽培方法について)熱心に質問していたのが印象的だった。

その中澤さんが、ご自身の畑で栽培した葡萄100%のワイン、「クリサワブラン 2006」を昨年夏に初リリース。このワインは人気で売り切れてしまっているが、今年の夏にリリースされる2007年産のワインを楽しむためにも、一度畑を見てお話を伺いたいと思い、栗沢まで車を走らせた。


到着するとそこは別世界。センスの良いお宅、その裏側にゆるい勾配の葡萄畑が広がっている様は、日本にいることを忘れてしまうような景色。その美しい葡萄畑の中を縫って歩き、作業中の中澤さんのところまで辿り着いた。

畑は針金に葡萄の枝をくくりつける春の作業がほぼ終わり、「やっと少し落ち着いたところです。」とのこと。葡萄の枝に目をやると、今まで見てきた畑と何かが違う。ここの畑では枝が全て“藁紐”で針金に結ばれているのだ。ビニール製のテープで結ぶのが一般的かと思い、中澤さんに質問して見た。

落ちても土に還るよう藁の紐を使っているんです。少々作業には手間がかかりますが。」

最初から中澤さんの“自然な葡萄づくり”に対するこだわりの片鱗が窺えた。

「風が強いでしょ。栗沢は札幌に比べるととても風が強い。でもこの風が葡萄にとってはいいこともあるんですよ。風通しが良いと病気がつきにくくなるんです。さぁ、風も強いので中に入ってお話しましょう。」

中澤さんはおだやかな笑顔でそう言うと、作業を中断してお宅に招き入れてくれた。そしてご夫婦そろって小一時間も私のつたない話に付き合ってくださった。

先ずは目的のワインについて。中澤さんのワイン「クリサワブラン」は4つの白ワイン用葡萄品種を別々に醸造し、それらをブレンドしてつくられている。醸造しているのは栃木の『ココファーム&ワイナリー』。こちらは以前奥様が醸造の研修をしていたところ。ぶどうの個性を活かすようスタッフが議論を重ねて最善の方法を考え、皆真剣に醸造に向き合ってくれるので任せられるそうだ。

4つの品種名は”シルヴァーナ””ゲヴェルツトラミネール””ピノグリ””ケルナー”。主にフランスのアルザス地方やドイツで栽培されている品種だ。ケルナーは北海道でもよく栽培されているが、それ以外の品種は北海道ではほとんど栽培しているという話を聞かない。

「以前勤めていたワインの会社で、葡萄の試験栽培をやっていたんです。北海道の土地に適応する品種を開発する部署だったので、色々な品種を試していました。その中で行けると思った品種ばかりを、独立して今育てています。当時会社には提案したんですけどね(笑)。白ばかりだと寂しいので、ピノノワールも少し植えていますよ。」

北海道は“日本のアルザス”かもしれない? 想像するだけで楽しくなってくる。
4品種をブレンドすることについては、初めはブレンドする予定ではなかったそうだが、2006年は葡萄にベト病の被害が出て収量が少なくなってしまったため、単一品種でのリリースを断念。ブレンドにすることを決断したという。

「でもこのブレンドが意外にも良かったんです。それぞれの葡萄の個性がしっかり主張されていて、厚みが出ました。今となってはどれを1つ欠いてももの足りなく感じてしまう。シルヴァーナは酸が強すぎてココファームからはもう抜いた方が良いんじゃないかと言われていたけど、ここにきて抜かないでほしいと言われるようになった。今年も多分ブレンドにすると思います。」

今は2007年産ワインについて栃木のココファームでブレンド比率などを議論しているところで、まだ決まっていないそうだ。

「今年のワインがどんなワインになるかとても楽しみです。」

と目を輝かせていた。次は先ほど見せていただいた畑へのこだわりについて伺った。

「今年は畑全てを無化学農薬栽培(ビオロジック)でやろうと思っています。今まで段階的にビオロジックにしてきたので、急にというわけではありません。そして今年は雑草もあえて生え放題にしておくつもりなので、畑を初めて見にきた人は手入れがされてないと思って驚くかもしれないですね。雑草があることによって、畑がより自然に近い状態になり、葡萄も競争相手が多くなるのでがんばって生きようとすると思います。」

北海道でここまで自然な農法にこだわった葡萄づくりをしている方がいることを知り、驚きとともにとても嬉しくなった。

「でも、ワインにビオロジックと謳うつもりはありません。健康になると思ってワインを選んでほしくないので(笑)。ワインが美味しいと思って選んでいただいて、それが結果的にビオロジックだったらいいんじゃないですか。栽培している私達は大変ですが・・・。」

本当に“美味しいワインのため”に自然な農法にこだわるというこの言葉が一番印象的だった。最後に車に乗り込んで帰る際、ご夫婦で車が見えなくなるまで丁寧にお見送りをしてくださった。こんなお人柄もワインのどこかに表現されているのではないだろうか・・・。

家に戻って、期待の「クリサワブラン2006」を初めて飲んでみた。
パッションフルーツのような甘みとグレープフルーツのような酸味が調和し、繊細な中に厚みがあって複雑な香りと味わい。北海道のワインでここまで“複雑さ”のある白ワインはなかなか経験したことがない。

4種類の葡萄がブレンドされたこと、収量が少なく葡萄が凝縮されたことが良い方向に作用し、この“複雑さ”が出ているのだろう。もうだめかもしれないと言われていたシルヴァーナも個性をはっきりと主張。それでも全体に優しい味わいなので「繊細な北海道版アルザスワイン」と思えるとても美味しいワインだった。

北海道で醸造・出荷までしていないと、いわゆる「道産ワイン」とは呼べないそうだが、”クリサワのテロワール(その土地特有の個性)”が詰まった素晴らしい道産ワインだと私は思う。

「将来は畑に来てくれた方に、ここでしか手に入らない単一品種のワインなんかもお売りできたらいいですね。」

と奥様。今年の夏にリリース予定の2007年産の「クリサワブラン」、そして将来単一品種のワインがリリースされる日が今から待ち遠しい。ワインがリリースになったら、また“ヴィンヤード”に伺って購入することにしよう。

2008.06.09 | | Comments(0) | Trackback(0) | 出張報告!

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Author:つちばく
札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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