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離島のツーリズム~小値賀島への旅③

続いて最初のプログラム「野崎島ガイドツアー」のご紹介。野崎島は小値賀島から町営船で30分の位置にある無人島。と言っても最初から無人だったわけではない。太古から人が住み、昭和30年代には800人程度の人口があったそうだ。しかし昭和40年代の集団離島で激減。そして平成13年、島の神社を守っていた最後の島民が去って無人島となった。

小値賀島から町営船「はまゆう」に乗らんとするその時、何と天から降ってきたものは”ひょう”!これが今年この地における初雪だそうだ。何もはるばる北海道からやってきてこんなところで初雪に遭わなくても・・・と運命を呪う一行であった。
 野崎島・野崎集落入り口 野崎島・野崎集落最後の島民の家


さて我々は野崎集落跡から上陸。立派な石垣が残っていた。これだけでもかつてののどかな暮らしが目に浮かんでくるから不思議だ。
       野崎島・野崎集落の道 野崎島・野崎集落の元畑2
しかし最後の島民の家を除き、殆どの家屋は朽ち落ちていて、本当にこの石垣だけが当時を物語る唯一の証となりつつある。

かつての街道を行く私達の足元には様々な瓦礫が散らばっているが、このガイドツアーでは「人がいなくなった島がどうなって行くか」を見てもらうために、あえて片付けないそうだ。

坂を上って行くとやがて広々とした草地に出る。ここはかつての畑。石垣が積まれているのは段々畑の跡だ。芝生のように綺麗に草が刈られているのは、実はこの島に400頭以上いる野鹿が食んだ痕跡。ガイドツアー中も幾度となく鹿と遭遇した。
 野崎島・野崎集落の赤土段々畑 『野崎島自然学塾村』
赤土は火山活動の影響。今は剥き出しの大地だが、海に向かって段々畑が広がるかつての風景は、きっと清々しかっただろう。

強風と冷気に消耗した体を一旦リセットするため、『野崎島自然学塾村』へと入る。ここはかつての小・中学校を利用した簡易宿泊施設だ。ここには『おぢかアイランドツーリズム協会』のスタッフが常駐している。
       『旧野首教会』 『旧野首教会』祭壇
小休憩後向かったのは、この野崎島のメインスポット、『旧野首教会』。教会に近づくにつれ風当りが強くなってきた。カメラを構えても風邪に煽られて体が静止しない。妙な鳴き声が聞こえたかと思うと、主はやはり風。いよいよ天主堂の立つ丘の頂上への階段を上ろうとして、危うく突風に飛ばされ崖下に転げそうになる。いやぁ~とんでもないところに教会があるものだ。
   『おぢかアイランドツーリズム協会』前田敏幸さんtr 『旧野首教会』ステンドグラス
「こういう非常に厳しい環境に暮らさざるを得なかったのが、後からこの島にやってきたキリシタンの人たちです。」 今回野崎島を案内してくださった『おぢかアイランドツーリズム協会』の前田敏幸さんの言葉が身に染みる。野首は1800年代に移り住んだいわゆる隠れキリシタンの集落だ。

この『旧野首教会』は明治41年に建てられた。他の集落とも殆ど交流がなく孤立した貧しい暮らしの中で、たった17戸の信徒が生活を犠牲にしてまで資金を工面したそうだ。費用のかかるレンガ造りを敢えて選んだのも、後世までこの教会を残したいという強い想いがあったからだという。
       『旧野首教会』から望む元段々畑 『旧野首教会』の鐘
しかし野首に住民がいなくなり、この教会もすっかり荒廃してしまった。それを小値賀町が1985年に全面改修。巨額の費用を町の人たちが負担してまでも、この教会を残す決断をしたのだ。そして今、ユネスコの世界遺産暫定リストの「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の一つとなっている。

誰もいなくなった島に気高く立つ教会。自らを犠牲にしてまでも至高のものを残そうとした野首集落の人たちの、最初の意志が貫き通されている姿だ。そこには北海道の開拓魂に似たものを感じた。つちは初めて産業遺産を残す意義を実感できたような気がした。

人の存在は消えても、そこで生き抜いた苦労や知恵、重ねてきた歴史は”教え”として残る。後世の私達はそれを”教え”として知る義務がある。

色々と胸にこみ上げるものを感じながら、一行は荒れ狂う海を渡り小値賀島へと戻った。

2013.12.05 | | Comments(0) | Trackback(0) | 出張報告!

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札幌市在住でなぜか「江別」好き。友達は殆ど江別、そして農家・・・

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